キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

お引っ越し

ふわっとお引っ越しします。 ここはいちおうの別宅として残しておく予定。 陋屋に犬と来りて草の夏 墨酔 note.mu

夜に溺れても

春が 冬のような顔をして 滅びてはだめだ おくれてきた同級生と 非常階段ですれちがうとき ぼくらの世界線は 少しばかりずれている きみは嘘みたいなものでできていて そのくらいがちょうどいい 春には春の行き先があり それ以外はそれ以外さ 夕暮れ、シュー…

はじめての人狼用語集

おはようございます。 キクチはなぜかこんな時間から必死に初心、初級者向けの人狼用語集を編んでいました。 もっとも、自分視点なので完全に信じないように。 また、G国およびG編成の話なので、第3陣営などは加味していません。 今週建てる自分主催の村に参…

「空き地」

暗闇でかくれんぼ知らないふりした横恋慕おおきな約束をふたりで破ろうぜ ぼくんちの郵便受けは貧弱でひとりぶんの鍵しか入っていない取り出すの今すぐ ああダイヤルをまわすようにみんな順繰りに遠くなってゆく決して会えないほどの距離じゃなくてもそれか…

「遠い時代」

飾っていた愛情は枯れて おもしろいように日々が滅びてゆく 反対方向行きの電車に乗り なにも拾わずに、眺めずに おなじ駅まで 戻ってきたい気分さ 三叉路、不安だろ あんたの判断を疑うこと ひとつもしない って決めたんだ それは信頼なんてものじゃないが …

おおきな約束

1月14日、「おおきな約束」ありがとうございました。 自分でもひさびさに、ぐっ、とくるライブができた。 ステージ上は宇宙だ。 そこへ好き勝手にブルーズの五線譜からこぼれ落ちた星を、ね。 描く。つなぐと星座になるように。選ぶ。 1.静脈 2.踊る死体 3.…

火の日

どうも定期的に名古屋の空気を補填しないと死んでしまう身体になっていたらしい。 1月8日、吹上は鑪ら場にて、浮かむ瀬のライブ初めをしてからすこぶる体調も精神状態もよく、松田優作じゃないけど叫んでしまうよね「なんじゃこりゃあああ」。 浮かむ瀬 set …

ラーメン食べたい

新年あけましておメーデーメーデーこちらはミュージック現在地は2018。 相棒の歌詞をパク…パクチーしつつ華麗に登場しましたキクチです。 とっくに9日とはいうものの、松が取れるまではそれでいいじゃない。新年だもの。 まったく関係のない話からフェードイ…

「1219」

なるべくいろんなひとやものの 息遣いを聞いていたい 日本語の文法からはなれた脈拍、トク、トク 孤独の奥にぼくにはないお国訛り 世界よ 明日もそれなりの顔して会おう あいしているよ あいしている 砕け散ったガラスのうえで 踊れ、わたしの自由 汗をかい…

フィルムとシャッター

きのうの昼から今朝にかけ、BAR choriにて妖怪ぶちまけ娘の卒論提出おめでとう呑み会を粛々と執り行った。 BAR choriというのは黙っていれば肴が出てくる、要するにわたしの家であって、妖怪ぶちまけ娘は彼女が誕生日ケーキやらワインやらなにやら、とにかく…

日本海の海の色は濃いという

日本海の海の色は濃いという。 これはわが父方の祖母がふともらしたひとことを、わが父(つまり息子ですね)が著書にてしれっとパク……パス……いやパスティーシュじゃないからなんていうか、パク……たフレーズなのだけれど、わたしは年々、冬の陰翳がふかまるこ…

千駄ヶ谷戦記

「マジか」「この子マジか」 心のうちに藤森先生が降臨した。 と、いっても、場所は日本将棋連盟東京会館2F道場。 おそらく小学校低学年であろう彼は延々ノータイム指し。こちらが10秒でも考えこむと、すぐに隣の対局を覗きこみ、それにも飽きると椅子の上で…

「目の前のつづき」

死んじゃうかもしれないから 家の鍵は開けておくね 「見つけて」 そんなサインを 単純に、明快に 遊びの誘いと勘違いしてしまった 音信不通、冬、ふる、えながらのクルーズ 閉じた瞼の裏側 毛細血管で埋め尽くされて 赤いな 和解がきかない若さもある いつで…

夕暮れ時を待ちながら

妖怪ぶちまけ娘がやってきて、今度はなにも起こらなかった。 なにしろ彼女は、誕生日ケーキを落とし、ワインをひっくり返し、これまでキクチ家に多大なる損害を与えてきた一種恍惚の人である。成長したんだね。えらいえらい、とわたしはこころのなかでそっと…

浮かむ瀬2017ラストライブ

11/26 浮かむ瀬 at yamne (写真:みっしゃん) 1.静脈 2.踊る死体 3.cadenza 4.希望について(さいとういんこ) 5.トロンプルイユ 6.旗を燃やせ 7.恋愛映画 8.おぼれるものは 9.光のようね 10.街と賛美歌 11.汽笛 12.アンダーコントロール 13.血と水 14.生…

「旗を燃やせ」

旗を燃やせきみがたいせつに隠し持っていた腹の中に巻き込んだ旗を燃やせ 冬の朝、手を洗う水のひゃっこさ木綿豆腐に踊るかつぶしのチリチリした匂い射精、うつくしい死に顔と寝息コンビニ袋持ってるから、ごめん、片手しかつなげないんだ 旗を燃やせ熾火の…

「踊る死体」

なんとなく1日に1分くらいきみのことを考えている思い出さない日はないけれど10分は言い過ぎだ ベイビーフェイスもヒールもトゥ、からステップすっ飛ばされた夜にたくさんの嘘になりきれなかったことば踊り続ける死体のような記憶たち涙はうつくしくも醜くも…

愛と和音

「感性とは手持ちのカードのようなもので、まだあるとおもっていても失われてゆく(大意)」 わたしが非常に感銘を受けた先崎学九段のことば。 3時半ごろまで夜っぴて原稿を書いていた。 それからコンビニへ行って、焼酎とたばこ、納豆にお粥、チョコレート…

33歳

いささか旧聞に属するものの(10日)、33歳になりました。 当日は祖父、父母、妹夫妻、弟、叔母、イトコ弟とともに水炊きを食べにいった。 19時には寝たい祖父(「ボクちゃんおねむやから帰る」がパワーワード)を鑑み、「じいじタイム」で17時半から開始。 …

「光のようね」

月明かりにぼくはどっか 持っていかれちまいそうです あなたとしたセックスのせいで まだ骨が痛いや さみしさも温かさに変わる 名前をつければすべての隙間が居場所になる 算数が苦手なので この先のことは考えてない 細い夢が糸をひいて 続いてゆくだけ う…

「人、人、人」

そのときのぼくはといえば ほんとうに手首を切ったくらいで死ねるのか試して 痛かった、ほんのちょっとした切り傷が死んでしまいそうに痛かった 流れ出したレーテン何ミリリットルの血液は 存在証明をするにはあまりにも頼りなさ過ぎて 生きたいのか死にたい…

流れよわが涙、と霊能者は言った

体調をくずしてお酒ものまず、三食きちんと食べ、服薬し、ごろごろしていた。 台風とともにきのう突然居候までやってきた。掛け布団を持って。 そんな1日半を経て今朝起きるとなんだかもういつものバカオロカキクチ節が出て、「体調?知らない子ですね」とな…

鍋の中

わたしの実家では「お味噌汁の具はふたつ(お吸い物の場合は+お吸い口でみっつ)までというアンリトゥン・ルールがあり、それ以上になると「豚汁」「粕汁」「けんちん汁」といった別役職にジョブチェンジした。 例外として茄子のお味噌汁は茄子+煎りゴマ+…

狼は二度笑う

わたしが人狼ゲームをはじめたのは2015年9月のことであった。 6月にchoriバンド最後の仕事、ミラノ万博でのライブを終え、8月いっぱいでchoriという名乗りを廃業し、ひとまず精神的ニートとなり後顧の憂いがなくなったところで満を持して参加した(ここでい…

「生きることとそのまわり」

生きることとそのまわりに自分がたいそう稀薄なのだ 朝、起きて日本語で顔を洗う湯気の立つ文法を噛み砕く 名詞、すこし味が濃い形容詞、うっかり虫歯に当たってしまった動詞、食わず嫌い 主語のないシンクに浸かっていたい浸かっていたい 生きることとその…

近くて遠い、遠くて近い

妹の結婚式、披露宴でした。 三笠宮百合子妃殿下、彬子女王、高円宮久子妃殿下、承子女王はじめ宮様方のご臨席を賜りまして、わたしは恐懼のきわみ、鞠躬如の態でございました。 ざっかけない言葉で言えば「祖母」「叔母」「イトコたち」ではありますし、実…

BOYS BOYS BOYS BOYS

名古屋へいってきた。 滞在時間4時間ほどの弾丸ツアー。 体調が悪すぎて、「ロイ・ビーン」であのタマネギ馬肉野郎に足の指ふっとばされてひょこひょことしか歩けないおじさんみたいになっていた。でも、いった。尾籠ながら、途中駅や新幹線のトイレで何度も…

夢を与える

さびしさは鳴る、だったか。 キクチバカオロカのトリ頭では一言一句正確におもいだせるわけではないが、綿谷りさ「インストール」の冒頭だったように記憶している。 本題といっさい関係ないけれど、わたしはもし私立の高校に進学していなければ、区域的な関…

Why I'm me

歌をうたい終えたあとのパーティに、ひびく声のこと。 テーブルごとの雑談、ちょっとしたジョーク、だれかの噂話、灰皿交換するスタッフの「そろそろ帰ってくれんかな」という気持ち、PA卓をやさしくなぜて布をかぶせるおっさん、ちょうどいいところでなくな…

Error

「墨攻」が中国映画になっているのを知って腰を抜かした。いや、でもそりゃ舞台は中国だもんな。 わたしは漫画版(日本の作品)を愛読していたのですが、あれは地味ながらよいもので…しかしなんというか白髪三千丈的世界観とはあまりにも相いれない内容であ…