キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

フライングマン

息がすきとおるような夜に浮かんだ

からだのバランスがおかしい

あのゲームの、あのダンジョンで、あいつに毒された十字キー

高く売りつけてしまいたい情けない鬱屈、ひのひかり

名前をつけてくれたのに

もう呼ばれないと知るさみしさよ

心細くていいから

この冬とダンスを

せめてものダ、ダ、ダンスを

 

きみたちを別に侮っているわけじゃない

けれどおなじ目線じゃことばが伝えられない

嘘つきだよ、それなりに世にはばかる

とはいえ

やさしさだけなら傷はつかなくとも話の落ちは変わる

 

一行をずっと探していたんだ

どこかでまぎれてしまったまま

夕方の知らない帰り道にとてもよく似合うかんじの

愚かさや怠惰、ことばじゃないが

大人じゃないな、そのままじゃないか

 

いつでもそんなふうに消えてゆくから

心配しないでよ、安心してよ

ぼくはずっとぼくのままだから

血と肉

おおいなるかなしみ

善なるこころ

うちなるちから

えいえんのしもべ

 

息がすきとおる

夜は誰かのことを見てる

心細いダンスを

心細いだけのダンスを

ドラムロールが鳴り響く

どれだけ仲間を集めたところで

祈りなんてコマンドはいつまでたっても出てきやしないんだ