キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

午前3時の吉本隆明をぼくは忘れない

 

 

午前3時に凍った血が

ことばの触手から逃れようとして

室外機のかげで汗をかいている

ぼくもまたひとつの原像

群衆の波にうもれているうち

体温はすこし

上がったみたいだ

 

敗北の構造は

ゆがんだ背骨に似ている

祈りはそこをすべりおちて

ちいさく光ったあと

地べたへ吸い込まれてゆく

 

片結びにしてしまって

ほどけない靴ひもとロジック

いつのまにか身体は冷えきっていた

夜明けが近づいても

この場所は真っ暗なまま

午前3時の吉本隆明をぼくは忘れない