キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

Fugee(The Score)

藤井、という名前の知り合いがなんとひとりもいないことに気づいて愕然とした。愕然。声に出して読みたい日本語。

正確にはひとりだけいるのだが、そいつはちょっと頭がスウィーティで、向井秀徳にあこがれるあまり自分の恋人やバンドメンバーに「向井」と呼ばせていたため、わたしのなかで彼はあくまで向井だ。オモイデインマイヘッ。

 

連勝、といわれて、なにをおもいおこすだろうか。

2位じゃだめなんですか。ひびき的に。だめです。

中国の囲碁棋士では連笑先生がいる。柯潔先生と仲がいい(イメージ)。しかし連笑って含意はわからないけどめちゃくちゃしあわせそうな名前。休日の昼下がりに籐椅子にもたれて「三国志」観ながらプリン食べてそう(イメージ)。

スピッツの「3連敗のち3連勝して街が光る」というフレーズもある。しかし3連敗のち3連勝どころか4連勝しちゃうのが趙治勲先生である。なぜに囲碁の話に持っていこうとする。そんなことしてるうちに何百年か過ぎちゃうぞっ!……あっ……爛柯の柯は柯潔の柯……!

収拾がつかないのでさっさと仕分けられてしまえ、とおもいます。

 

きょうはリハだった。

いつもの店、しかし、気がつけば、ふつうのリハスタだったその場所はいつのまにか「一八番(おはこ)」という名前のライブハウス(スタジオ兼用)と化していた。おおお、17連勝のあとに18とはこれまた。

セッティング中の村島洋一に話しかける。

「なあなあ、おれやったらこれ”一八番”やのうて”一八香”って書いて”おはこ”って訓ませるわ」

「どういうこと?」

「”香”でもなんとか”こ”って主張できるやろ。そんで、一八に香車が上がってるってことは穴熊や。この穴倉っぽい広さにめっちゃ合うてるやん」

村島は最高の笑顔を浮かべた。

「(その話題、それ以上拡げんなや)」

わたしは、

「(……はい)」

胸のうちで素直に返事をした。

ヘボのこちらより彼は大駒2枚は強い。強さは正義。

ほんとうは、番だとなんとなく縦線が駒柱立ってそうで不吉だ、飛車みたいに割れそうだ、とか、ここに迎え入れるお客さんあなたたちはつまり王様なんですよ!とか、いろいろ言い募りたかったのだが、沈黙が金で雄弁は銀なら、そりゃ、金のほうがいいよね。なーんてな(かわいい)。

 

とくにオチのない話をつづけているのだけれど、気づいたらおれはなんとなくばつが悪かった。向井秀徳といえばいつぞやの福島でのフェス、旅人くん郁子ちゃんとのローリンローリン……ローリンヒル……そんなわけで本エントリのタイトルは逆算的に決まった。だからどうだってんだ。

 

自分から、締め切りを抱えた自分へ最後にツッコませていただきたい。

 

囲うより、書こう。