キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

「目の前のつづき」

死んじゃうかもしれないから

家の鍵は開けておくね

 

「見つけて」

そんなサインを

単純に、明快に

遊びの誘いと勘違いしてしまった

 

音信不通、冬、ふる、えながらのクルーズ

 

閉じた瞼の裏側

毛細血管で埋め尽くされて

赤いな

和解がきかない若さもある

いつでも季節は途中のままなのに

 

遠くの、孤独と、ぼくの奥のモノクロ、遅くも早くもない速度

進んでゆくだけ

 

目の前のつづきに

嘘はなくとも

やけに驚きは

歳をとっている

 

さっきまで首を締め上げていた真綿が

今ではやさしく肩をあたためて

夜の間いっぱい終わらないたたかい

ぼくがきみを謀ったことはあったかい

 

炭鉱のカナリア、がなりたてた、かなりリアルな夢ばかり見た

話がある、まだ間に合う、ちょっとだけ遅刻する

いつまでも季節は途中のままなのに

 

目の前のつづきに

たとえ嘘はなくとも

やけに驚きは

歳をとって

あんなに弄んだはずのことばを

他人事のように見遣るだけ

密室殺人のトリックは崩れた

はなから裏切られた、そんな幸せもある

 

音信通ず、冬、ふる、えながらのブルーズ

 

いつだってぼくらは

途中のままなのに

 

かけがえのある日々をかけちがえても

世界は世界でしかないのだから