「遠い時代」
飾っていた愛情は枯れて
おもしろいように日々が滅びてゆく
反対方向行きの電車に乗り
なにも拾わずに、眺めずに
おなじ駅まで
戻ってきたい気分さ
三叉路、不安だろ
あんたの判断を疑うこと
ひとつもしない
って決めたんだ
それは信頼なんてものじゃないが
ありきたりな今日が死んだ今では
絆と傷など見分けがつかなくて
いつかの泣き顔と手をつないでた
抱かれた背中にまわされた指
冷たいな、表情なき三連符、すこし感電する
暗がりにて我らつながり
朝を迎えるたび溶けてゆく
めでたし、めでたし
三叉路、不安だろ
あんたは歩き、ぼくは時刻表を開く
何にも動かない心をさすりながら
次この場所へ帰ってくるときは
どんな服を着て笑おう
なんて考えてる
離れがたし別れたがり
それぞれ互い違いに
遠い時代を思い出して
小さな背中に懐かしい名前をつけたよ