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キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

海鳴り

最近、耳のなかに海を飼ってるみたいだ

つかず離れず、ザ、ザ、さんざさざめく大きな水溜まり

気圧の乱高下 抜ける踊り場はこの先三歩上

半丁で説明つけられるなんてただの感傷です

よくいえばこころが撓ってる その分多くのものを喪ってる

嘘くさいアンセムにそれでも救われてしまうぼくがいる

10月27日夕刻、ふらふらと水際へ出たアルコール中毒

自分の未来はわからないがこの心象はもっと笑えないな

 

粗削りなデッサンで描いた賛否両論なら折半して

黄昏の国を背にした逢魔が時、日常にはすこしのドラマがほしい

あらまほしきことばかりつぶやけば寄せては返す波、ことばたち

そこにない物語でも綴りつづける一本の狂ったペンでありたい

たゆたう海、見晴るかす 名前を知らない鳥の群れ

嵐の前の静けさ、いずれたどり着くまでの道しるべか

心臓が脈打っている 1リットルパックの焼酎を開ける

抱いていたい思い出もあるけれど、ごめんな、ありがとう、ごきげんよう

 

あなたは舟に乗って芥子粒みたいに小さくなった

連なった星明りのした、ぼやけにじんだ後ろ姿

雨にふられできたこの海に誰か迎えにきた

「なんでいつも見送る側はただの風景になるんだ」

 

最近、耳のなかに海を飼ってるみたいだ

それは想像するほど雄渾なものではないが

ぼくが言うこんなことよりずっとずっと生や死に近い場所を

浚ったり笑ったりしている、なによりもうつくしい詩だ

いま、1リットルパックの焼酎が空いた

引き潮と満ち潮の合間、一生をこうやって過ごすあいだ

愛だの恋だのギャーギャーわめいてそれでも平気な顔して

呆れたり貶されたりしてもそれがぼくのぼくなりの誇りです

 

あなたは舟に乗って芥子粒みたいに小さくなった

連なった星明りのした、ぼやけにじんだ後ろ姿

雨にふられできたこの海に誰か迎えにきた

「なんでいつも見送る側はただの風景になるんだ」

 

気がつけば沈まぬ太陽の向こうに月傾きぬ

ジュール・ベルヌと憂鬱な夜を足して割って呑み干してしまう

それじゃ、そろそろぼくは行くよ

どこかわからないけれどこの先へ