キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

帰り道のあて

酩酊していつもさよならしてる 律儀すぎる頻度で手を振る じぶんが今、ここにいないことが不安だ 日が落ちるころから ちょっとおかしくなるのはいつものこと ぼくの棲むマンションにだんだんひとが帰ってくる ヒールの音高く、くたびれた歩調 ちぐはぐな五線…

お仕事お仕事

どうでもよいことをどうでもよいままに書こうとするのは気恥ずかしいことだ。ついついお化粧をほどこしてやりたくなり、いわでもの修飾やとってつけたようなエピソードで厚く塗ってしまう。何もない日であれば何もない日でよいのだ。何もない日を何もない日…

バウムクーヘン

ねむりが浅いのでいろんな夢をみる。 「鳥は飛べる形/空を飛べる形/僕らは空を飛べない形/ダラダラ歩く形」と歌うハイロウズのうしろでケーブルを八の字巻きしていたり、みながゾンビ化した街を逃げ惑いながらついに観念し、どうせならゾンビである元恋人…

フライングマン

息がすきとおるような夜に浮かんだ からだのバランスがおかしい あのゲームの、あのダンジョンで、あいつに毒された十字キー 高く売りつけてしまいたい情けない鬱屈、ひのひかり 名前をつけてくれたのに もう呼ばれないと知るさみしさよ 心細くていいから こ…

ドラマ

こころをきれいに保つのはとてもむつかしいことだ。 ときどき、おがくずをまぶしてやったり、枯葉でそっと隠してやったりしないといけない。なんとなれば切りつけてわざと血を流す。泥を塗りたくる。何度となく埋めて、いくたびもその墓をあばいて、まだ新鮮…

男子三日会わざれば生きたり死んだりする

11月23日未明、泥酔してケータイを失くした。 DDでそうとうばかなのみ方をして、途中隣り合った女の子があんまりかわいかったから、わが頭のなかのミトくん曰く「いいぜ、このままいっちゃおうぜ」(※空中ループのアルバムへのコメント)モードになってしま…

あたらしい世界じゃなくても(3)

11月19日、「聖の青春」を観た。 個人的な好みは措くとして、あだやおろそかにできない映画、という感想である。 そもそもキクチは映画通ではないし(DVDやネット上で年間30~40本程度、といったところ)特段自分のなかに体系立った”映画観”のような評価軸を…

きれいですね

狂ってしまいたいとおもううちは まだ狂っていないから 大丈夫だ ふざけた踊りおどりつづけて なにが大丈夫だ? きみの膚は見えてる シャワー浴びすぎてカサカサだからこう言うんだ 「きれいですね」って。 誰かが思い出を棄てた ひとつ、ふたつ、みっつって…

あたらしい世界じゃなくても(2)

午前9時過ぎの三条は、土曜日ではあったが、雨上がりのしずけさが散りばめられていた。あちらこちらに目には見えない水泡のようなものが漂っていて、ときどきそれがパチンとはじけるかんじ。 元バイト先のシネコンへゆく。 かつて7台あったチケットカウンタ…

あたらしい世界じゃなくても

11月18日、早朝から家で焼酎をのみながらごろごろしていると、夕方ごろ旧友Tから電話。「のもうぜ」ということになる。 Tは数奇な運命をたどったひとで、福井にうまれ、舞鶴の高校にかよい(そのころなぜか京都のぼくと知り合った)、山口の大学へいき、途中…

おぼれるものは

おぼれるものは藁をもつかむというが ほんとうは 笑いをつかもうとしているのだ 最後にきみの しらけきった顔が見たい 喜劇はいつも無言のうちに幕を上げる 棺オケをワインで満たし ひびわれたパンと接吻をかわす 日曜日くらいは 休んでみたっていいだろう …

カデンツァ

血のついたベッドでねむった しばらくトマトソースは食べられなくなるな、とか とりとめもないことを考えて過ごした 体温の高いひとの隣だと 冬が嘘つきな気がする

寂しさをのせない口の端もあり

深夜にピーター・バラカンがリポーターをやっている英語(圏、ないし話者対象の)番組などみていると、てきめんに寂しくなる。おもしろうて寂しい。そこにキクチはいないからだ。いとしさとせつなさと心強さと、うれしいとたのしいと大好きと、そしてやがて…

煙か牛タンか馬の骨

馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何 いまでもよく涙を誘いにくるのはこれだ。たいてい、夜も更けたころに訪れる。紅顔の美少年(!)時代から厭世気分のつよい、あるいはそれを気取りたがるぼくにはよく似合う、伊達政宗晩年の作である。 馬上少年…

独と隣

素直になれない。 と、のうのうと書いてしまうあたり、じつは意外と素直なのか、一周半くらいして帰りたいのか、われながらよく解せぬ18歳と164ヶ月である。おまわりさーん!ここにへんなひとがいます! どうも自分のスタンスは「MUGO・ん…色っぽい」らしく…

出る幕がない

きのうに引き続いて、「銀河英雄伝説」の話を引っ張る。キクチの話は薄いが広い。ひもかわうどんのようなものだとおもっていただきたい。うまいかどうかはなにをダシに使うかに委ねられている。…早々に自縄自縛、といったてい。 さておき。 ぼくが「銀河英雄…

李家に冠は豊か

なんとはなしに気分がふさいでいるようにおもうのだが、口にしてしまうと余計に魔法はかかってしまう。破嘴。商容だったか比干だったか、このところ自分の記憶力のいちじるしい減退にも呆れる次第。ちなみに余話として、「封神演義」ではぼくは太鸞がすきで…

「顔」といえば筒井康隆だとてっきりおもいこんでいたが、松本清張だった。こういうときの気恥ずかしさ、腹中の磊塊を燃やすにはいたらない。もっといえば筒井は筒井でも康隆と道隆を時おり混同してしまう。世代も業種もちがうというのに、ぼくの頭にはWindo…

ラーメン食べたい

たばこの箱が、くしゃっ、とゆがんでいるのがきらいだ。ハイライトメンソール、ソフトなのでよくある。おなじく、水に濡れてしまうのも気に障る。そのくせ皮(あれはなんと呼ぶのだ、フィルムか?)はぜんぶ剥がしてしまいたい。いったいぼくはなにをしたい…

ミラノを見て死ね

ずっと京都で死ぬつもりだったけれど、ミラノでもいいな、と突然おもった。ナストロ・アズーロとカプレーゼを六文銭がわりにわたる三途の川があっても悪くないだろう。 キクチは31年、というか明日でもう32年も生きているくせ、たいして海外の街を訪れたこと…

匡廬便是逃名地

「革命はテレビ放送されない」とギル・スコット・ヘロンは喝破したが、べつにテレビ画面にうつらないムーヴメントすなわち革命とはかぎらない。初歩的なロジックである。そして、われわれ、含意というものをあだやおろそかに扱うわけにはいかないのだ。 「三…

フィルムとシャッター

ちょっとした遠出をした。 月日は百代の過客にしてうんぬん、というやつである。 調子にのって五言絶句のさわりらしきものをでっちあげてみた。 賢愚活風塵 骚客老酒中 そこで力尽きるキクチ。そもそも平仄ガン無視。あとちょびっと伊藤博文のパク…パクチー…

静脈

かなしみ、みたいなものでもメシが食えたらいいな もちろんきみのじゃない ぼくのほうだ 守るつもりはないけど約束がしたい 死ぬなよとかあいしてるぜとか、そういう気持ちの貸し借り あんたやあんたやあんたじゃない「きみ」の話をしようか 十月十日もかけ…

天使なんかじゃない

十二指腸か胃かわからないけれども、内臓のスクランブル交差点において、たいへんに鈍痛が盛り上がっている。祭り?ハロウィンパーティ?あらまあ、かわいいー!(ぶりっ子) ともあれ、ここ2日ちょっと、これはもうどちらかというと一揆ではなくって、本能…