キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

おぼれるものは

おぼれるものは藁をもつかむというが

ほんとうは

笑いをつかもうとしているのだ

最後にきみの

しらけきった顔が見たい

 

喜劇はいつも無言のうちに幕を上げる

棺オケをワインで満たし

ひびわれたパンと接吻をかわす

日曜日くらいは

休んでみたっていいだろう

それから

拍手ひとつ聞こえない淵に

深沈としずんでゆく

 

 

一夜

おぼれるための準備体操をしながら

ぼくは妄想する

みずからの表札を取り外すまえに

そこへこびりついた浮世の垢や汚れを

聖者みたいな顔して

ぬぐい去ってやろうと