キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

かなしい夢なら見ずにすむだろう

コンビニ店員の薄ら笑いに慣れた

論外のメソッドは見ないでそっとレシートと一緒に捨てればいい

暴虐には暴虐を、揶揄には揶揄を

なまぬるい独創性を描いた

それでも人はそれなりに集まるもんだ

 

大好きな曲を再生する、頭のなか、歩く

はにかんだって、かじかんだ手

わたしの命はあと5分間だけ

ドアを開ける

その重さは問題じゃない

 

最初きらいだったきみのハンドクリームのにおいが

いつのまにか気にならなくなってた

 

そういうふうに日々をめくっていける幸せ

けれど鏡の前に立てばまだ薄ら笑いのぼくが見える

消えるなよ、血が涸れても、脳味噌だけはこのスピードで

まわれ

 

陳列棚には馴染みのない商品がずいぶんと増えた

あたらしい名前あたらしいかたち、なんにもうれしくない再会

会いたいかと問われれば

会いたくはない

でもお互いそれとわかったうえですれ違いたい

 

暴虐には暴虐を

揶揄には揶揄を、

 

最初きらいだったきみのハンドクリームのにおいが

いつのまにかすきになってた

あれは

冬のおわりだった