静かに暮らすんだ
望めばどうとでもなるようなことばかりだな
秋の小径、「きみ」とはちがうふうに呼びたかった帰り道
できるだけ呼吸を減らすため煙草で口をふさぐ
ああ
無邪気な暴力を、その先にあるはずの虚無を
知りたいんだ
駅前、安っぽい油とスパイスのにおい、プライスレス?5時以降の逃避行(心臓の音が遠いよ)、ひとりぼっち主演男優賞、レッドカーペットに降りかかるささやかな夕暮れインマイヘッド、この街はちょっとうるさすぎて、ぼくの地図は白紙です。踏切の向こう側にいるあの犬が言うんだ「さよなら、いつか」
つまんない映画でも観に行きたい気分さ
最後まで逃げ切れないならせめて
追いつかれるまでは
ふたりじゃなくたっていい
ひとりでなくてもいい
どうってことない家を借りて
静かに暮らすんだ
たいてい土曜のレイトショーなんてろくなことがない、眠りこけるお隣のお友だち。こころ、たましい、でばかり語ろうとする男は哀しい。日替わりで誰かの身代わりになって「きみが笑った」に救われる(気味悪ぃな)、黄身が割れたベーコンエッグ、何テイク、精根尽き果てて朝になっていく
望めば与えられるようなことばばかりだな
炭酸の抜けたサイダー、ぬるい愛と情にひたした
くちびるごしのメンソールちょっと苦いだけで味はしなかった
なあ
つまんない映画の感想を言い合うのはよして
ビールでも飲もうぜ