キクチミョンサ的

「なれのはて」ということばがよく似合う、ちいさなぼくのプライドだよ

わかちあえる

広告代理店があなたに

気づかないことを気づかせるならば

その気づきを与えるなら

ぼくは

あなたが

気づいてはいてもことばにできなかった気持ちを

詩にしようとおもう

分け合おう、とおもう

 

それはほんのちょっとずれているかもしれない

思い描いたのとちがうかたちかもしれない

その大きなほうでも、おいしそうなところでも

まずはあなたにあげる

 

広告代理店が誰かを

持ち上げたり拍手喝采送るよこで

ぼくは静かに醒めていたい

つまらない日々のこと、もう脚色はしない

あたりまえのように抱いてそれでも笑いたい

嘘をついたら

嘘のぶんだけ

自分がどこか遠くへ行ってしまうよな

おもいが一度でもよぎったひとのこと大切にさわりたい

 

ふれた指先だけでは

温度もなにも伝わらないというが

指先ひとつふれないままでは

ぼくもあなたも存在すら認められないじゃないか

 

表紙だけしかない本に

名前をつけよう

いまは

中身もなにもないドラマに

いまから

名前をつけよう